【ICGレポートVOL.952】 やはりインフレ下の株高は本当!? 31/08/2025
- ICGレポート

- 8月31日
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アメリカのインフレ率は、7月時点で2.7%で6月と同じとなっている。一方、食品とエネルギーを除外したコアインフレは5か月ぶりの3.1%に加速し、6月の2.9%を上回り、3%の予測を上回っている。そこに8月からトランプ関税が本格稼働し始めているので、現段階では関税強化によるインフレはまだ織り込まれていないと考えられる。つまり将来的なインフレ圧力は残されているのだ。
しかし一方で債券価格を見ていると、米10年物国債の利回りはこの1か月の間に4.4%台から4.2%台に低下している。米2年物国債の利回りもこの1か月で3.9%から3.6%台に低下していることから債券市場は近い将来の利下げを織り込んでいる。
米連邦準備理事会(FRB)は、最近の雇用市場の軟化を懸念していることからも利下げに動くチャンスが拡大したと見るのは理解できるところである。
ところが問題は高いインフレ率を維持したまま、利下げに踏み切るとインフレを加速させてしまう可能性が高くなる。この間の日米の株高は利下げ期待を背景としたものであることは間違いないが、むしろインフレが加速することによる株高であるのかもしれない。
インフレで理論上、名目の売り上げも利益も増加する。100円の商品を100個の販売して10000万円の売り上げていた企業は、例えば10%の値上げで110円の商品を同じ個数の100個販売すれば、11000円の売り上げとなる。
同じ個数を販売しても売り上げはインフレによって自動的に増加する。株価はそれに呼応するだけである。現在の環境下ではヘッジファンドのようにポジションの構築を「売りから入る」のは危険であるのかもしれない。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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